映像作品「contact at」

制作:202年/7月, 使用ソフト:Blender, After Effects, Premiere Pro, Illustrator, FlipaClip ,Logic Pro

 私の人生ではじめてとなるアニメーション作品。なので大目に見てください。

 この話は単なる死生観や輪廻転生ではありません。自分という境界についての物語です。  この作品を作るきっかけは、自我つまり【自分といえる境界】が”ない”世界に興味があったからです。これまで私は、どこからどこまでが自分といえるのだろうか、という問いをしてきました。その疑問を共有すべく今回は【自分といえる境界】が[ある世界]・[ない世界]・[境界ができる時]を対比した3幕構造で映像を作成しました。    

 課題のテーマである<コンタクト>を考えたとき、そもそも自分としての境界がなければ、”私”が滲んでしまって、ある意味<接触>することも不可能なのです。ピンク色の魂は液状なため魂の海に沈むとすぐにその境界を失ってしまい染まってしまいます。一方で一滴の魂が地上に堕ちるとまた新たな生命としてその境界を描き出します。(この胎児にへその緒を描かなかったのは境界を明確に表現するためでもあります。現実の私たちにはへその緒で母親とつながっていました。身体的にも私たちには境界があるとは言い切れません。)  ピンクの液体状のモノは皆さんが自身の本質だと思っているものに置き換えて見ていただけると、よりこの作品が深まると思います。(魂、身体、精神、記憶など)  私としては”精神”の比喩として捉えています。集合的無意識という言葉があるように私たちは言わずもがの共通概念を持っています。もしその集合が知識の海のようなもので、そこから拾った一杯・一滴が”私”というオリジナルの原材料だったとしたら、私たちのアイデンティティはどこにあり、どこまでなのでしょうか。本作で私が表現したかったことは、私たちは本質的には同じで、明確な自分と他人の境界はあるようでないのではないかという問いです。  「contact at」というタイトルにはcontact at [NULL]とcontact at [ALL]という二つの意味を込めました。かみ砕けば、コンタクトという概念がない世界とある世界ということです。(また、エヴァンゲリオンのL.C.L.やATフィールドの考えに影響を受けていて、そのATフィールドのATとも掛けています。)    

 皆さんは何とコンタクトしますか?そして、どこまでが自分といえますか?

監督:伊藤銀児

あとがき(ほとんど日記)  

今回、はじめてアニメーション作品を作らせていただきました。この映像が頭に浮かんだとき、どうしても実写ではできそうになかったのでアニメーションで挑戦しました。私は美大に通っていますが恥ずかしながら絵が描けません。(なので映像面は大目に見てください)そこで今回は初めてBlenderに挑戦しました。Blenderを3日で理解できたのは我ながら才能を感じます。(Blenderがすごい)  アイディアを固めてから2週間の制作期間でほかの期末課題と並行しながら、いかに効率よく作品を仕上げるか大変頭を使いました。結局時間はギリギリでした。もし学校が通常通り対面オフライン授業だったら完成に漕ぎつけなかったとおもいます。この潤沢な時間の中で今の自分が出せる限界に挑戦しました。この作品の評価はもちろん人それぞれで構わないのですが、自分では拍手を送りたいです。頑張った(頑張った)。 実際制作が終わった今も若干手が震えています。寝なきゃ。

課題文

課題3:<コンタクト>をテーマに、映像作品をつくりなさい。 実写、アニメーション、ドキュメンタリーなど形式は問いません。尺は5分以内とする。 接点、連絡、交信、交際など幅広い意味をもつコンタクト。<接触>は、物質と宇宙の誕生、生物の繁殖、人間社会の存在など、万物の根幹をなす普遍的現象とも言えるでしょう。 想像力を膨らませ、われわれの時代の<コンタクト>を表現しなさい。

寄せられた声 “映像作品「contact at」”

  1. うえの より:

    「contact at」ほんとすこ

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